スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

第773回「愛ってなんだ?」


 もちろん躊躇わないことですよね
 で、若さは…

 ってこれ前にもやったじゃん
 つーことで、なんか書きましょうか、うん

「五十音の最初の二文字」

 俺が「愛ってなんだと思う?」と言うありがちでありふれた、
そんな質問をした際の彼女の答えがそれだった。
べつにありがちな質問に対しありがちな返答をしたというわけでもないだろう
ただ、真面目に答えるほうが馬鹿なだけだ。

 正直者は馬鹿を見る。

「愛 藍 哀」

 しかし彼女はそこで終わらせず、
続けて少しだけ呟いた。

「”あい”にも色々あるよ?」

 友愛。博愛。自愛に慈愛。情愛。恋愛。偏愛。恩愛。
彼女が言った色々あるの、そのベクトルは違えど
しかし同じことだった、"あい"には色々な種類がありすぎる。
それを区別し、理解し、把握し、認識して使えている人間など、
きっといやしない。
それは、概念的過ぎて、抽象的過ぎる、お話だから。

「例えばね」

 彼女は俺より頭一つ以上小さい体を伸ばして、
俺の頬を両手でつかんで真正面から目を合わせる。

「私はあなたを"あい"しています」

 空よりも蒼い、彼女の瞳に映った、自分の間抜け面、
彼女の台詞に、これ以上なく、柄にもなく、緊張した。

「さて、私の"あい"はどの漢字が割り当てられるのかな?」

 手を離し柔らかく微笑みながら、
その瞳を、しっかりと開いて彼女は俺を見上げる。
俺は頬を掻き、気まずげに顔を逸らして空を見る。
こうすると彼女はどうやっても俺の表情を窺う事はできない
突然の行動に照れてしまった、紅くなってしまった、
自分の顔を見せずに済む。

「愛しい」

 呟く声が、そよ風になびく。
視線を戻すと長い髪が風に乗って舞う。
彼女はそれを片手で押さえながら、
俺が顔を戻すのをわかっていたようにまっすぐにこっちを見つめていた。

「私のあいは愛しいの愛だよ?」

 それは、告白、なのだろうか?
それともプロポーズ?

「それを聞くのは酷薄だよ」

 髪を押さえていた手を前に伸ばし
俺の胸を手の平でそっと触れてくる。

「女の子から告白するのは勇気100倍状態でも難しいよ?」

 目を伏せて少し手に力をこめる彼女。
ちょっとした質問から派生した、この状況。
俺は、彼女の長くさらさらの髪に触れて、
それから丁度の位置にあるこなたの頭を撫でて、
一度、深く息を吸ってから。

「―――」

 風にかき消された言葉、
もしかして聞こえなかったんじゃないか? とも思ったが、
しかし、その心配は、彼女の、満面の笑みによって、杞憂となった。


―――
前に書いたのの加筆修正版
スポンサーサイト

Comment



 編集・削除ができます。
 管理者にだけ表示を許可する
 
 

カレンダー

 
08 | 2017/09 | 10
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
 

アナログ時計(黒)

 
 

呟き

 

7shiicilou < > Reload

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。