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善吉「……で、その哀川潤さんがめだかちゃんに一体何の用スか?」


 七月、悪を知らず正義を行い。
穢れを知らず純粋を保つ、清廉潔白の如き正直者
つまるところこの僕はまたぞろ哀川さんに引っ張られ、
そうして新たな才者とであった。
彼女は完膚なきまでに完璧で、
一人で完全なまでに完結していた。
彼女と彼女の周りの人間、
そして哀川さんと不肖ながらこの僕を交えた
あの深く不快な物語は、この時点では始まってすら居なかった。

いや、まだ終わってないかも知れないのだけれど。
それもまた、戯言。

 黒神めだか、
箱庭学園の一学年十三組に所属。
偏差値は90で成績優秀、スポーツ万能、容姿端麗、
さらには家は世界経済を担う大金持ちとちょっとばかし
羨望の粋で収まらず次の段階に感情が移行しそうな人間。
新入生でありながら支持率98%で生徒会長に任命、
会長、副会長、会計、書記、庶務の全てを一人でこなす
一人生徒会、それが今回僕の、
否、哀川さんの目的としている人物だった。

「あー、それはちょっち訂正だ」
「はい?」
「いまは庶務と書記は別の生徒が担当してるってよ」
「そうなんですか。…というか平然と独白に訂正入れないでくださいよ」
「気にすんなって、あたしといーたんの仲だろ?」
「……それで、その箱庭学園はまだですか?」
「んにゃ、もう見えてくる」

 言われて目線を哀川さんから正面に戻せば、
なるほどすでに校舎と思わしき建造物と門が見えてきている。

「……普通ですね」
「なんだ、澄百合みたいのがよかったか?」
「いえ、そうじゃないですけど…」


 十三組。
最低でも一学年に十以上、
そのクラスの数からもわかるように
箱庭高校は相当なマンモス高校らしい。
故に、多くの主観趣向意思意向を持つ人間が
累々と集まっている場でもある筈で。
だというにも関わらず支持率98%、というのは
ある意味異常、というか異常でしかない。

「いいんですか? 正面からいきなり進入して」
「話は通してあるからな。無問題無問題」
「……ならいいんですけど」

 僕個人としては哀川さんが起動して行動している、
その時点で問題大有りなのだけれど。
まぁ災いの元には綴じ蓋をしておくに限る。

 正門から威風堂々とばかりに
哀川さんの愛車、真っ赤なコブラをど真ん中に駐車し
校舎の窓から顔を出す数多の生徒の視線を無視して
正面玄関から校舎に足を踏み入れる哀川さん。
ここまで来てなんだけれど、僕はこの高校に来た理由
さらにいえば黒神めだかちゃんとやらに会いにきた理由を
完膚なきまでに知らされていない。
知らされたのは彼女のパーソナル、それだけだ。

「で、哀川さ――」
「いーたん、お姉さんをあんまり怒らせんなよ?」
「……潤さんは如何なる理由でもって黒神めだかちゃんに会いに?」
「ん~、約束……かな」
「約束、ですか」

 約束、約束。約束ねぇ……?
ずいぶんとまた、その、センチメンタルな感じ。
哀川さんはそのめだかちゃんと知り合いなのだろうか?

 しかし……。

「あまりにも堂々すぎませんか?
 僕が注目されることに慣れてない所為かも知れないですけど
 ひっじょうに多数の視線が居心地悪いです」

 現在時刻は昼時を少し過ぎた頃、
昼食も終わって生徒諸君が最も活発に行動する時間。
よりにもよってそんなあちこちに生徒が歩いてる状況下で
部外者の僕達が廊下を平然と歩いていれば、
それはそれは目を引く。特に高校生なんてのは
普段と違う、噂とか外部からの刺激には非常に敏感で多感なのだ。
また合わせて語るに哀川さんのその外見も助長させている。

 ま、僕にしてみれば視線が哀川さんに集中するので
まだ比較的楽とも言えるのだけれど……、
しかしどこか好奇とは違う種類の色合いも見え隠れする。
おっかなびっくり、みたいな。

「いーたんは臆病すぎんだよ。
 べつにわりぃことしにきたんじゃないんだから胸張っとけ」
「だから僕はなにしにきたのか知らないんですってば」

 等々、雑談を適度に交えつつ
視線行きかう廊下を歩き階段を上り、
そうしてたどり着いたのは、
色とりどりの花に囲まれた一つの扉。
扉上部にかけられる札の文字は「生徒会室」

「依頼をこなす度に一つ増やす、でしたっけ」
「聞いた話だとな」
「ですか」

 聞いた話。
それは当人から、という解釈をしていいのだろうか。
いまだに関係がわからない。
先刻聞いた際に依頼という言葉を使わなかったのも気になるし、
この部屋の主と哀川さんがなんらかの繋がりがあるのは確定っぽいんだけれど。


――――

 生徒会室内部。
右手をご覧ください、左手をご覧ください、
どこをかしこも花でございますと言った具合。
ざっと見たところ小さいの大きいの合わせて大体百は下らない。
入学してから今日までで約三ヶ月強、
一日に一つ依頼をクリアしてる計算になる。
なんだろう、相手は高校生だというのに
正式な請負人たる僕がなにやら敗北感を覚えている。

「……で、その哀川潤さんがめだかちゃんに一体何の用スか?」

 とか僕の内心は放っておくにして。
今は目の前のこの少年の相手をしなくてはならない。
腕章に書かれた庶務の文字から
あとから入った二人のうち一人ということなんだろう。

 体格、口調、頭髪、服装。
決して真面目な一高校生には見えない。
類が友を、じゃないけれど哀川さんを持ってして完璧という言葉を使わせた
高校一年生と行動をともにしてる人間。
健全普通の男の子、とは行かないらしい。

「いや、その噂の生徒会長さんにちょいと用があってね」
「用、ってなんスか?」
「当人が居ないからいまは君に僕から言えないよ」
「……めだかちゃんはいま三年の先輩方の依頼内容を
 聞きに行ってますから。その内戻ってきますよ」
「なら、ここであたしらは待たせて貰うかな」

 厚顔不遜なその態度に名も知らぬ少年はなんかしらの不平もしくは不満を
口にしようとしたようだが、如何なる理由か
最終的には沈黙を選んだようだった。多分、哀川さんの威圧感、
乃至それに順ずるなにかに閉口せざるを得なかったというところだろう。
まぁいい、僕も少し考え事をさせてもらう。

―――

 京都の夏は暑く、京都の冬は寒い。
七月上旬にもなれば蒸し暑く
うだるようなという形容がぴったりと嵌りこむ
非常に不快指数が高い日々が繰り返されるのだが。
骨董アパート改め塔アパートの僕の部屋には、
この間からエアコンという文明の利器、
快適の代わりに公害を撒く
一は全とか、全体の奉仕者とか、
そういった心温まるお話を完膚なきまでに
無視した電化製品を設置してある為
心地良い生活を送っていた。

「いの字、もう少し設定温度を下げてくれないか?」
「これ以上下げたら電気代がまずいですよ、
 それに、すでに二十度、下手するとでんこちゃんに怒られるような設定です」
「そうですよみい姉さん、あまり冷えすぎると風邪になったり身体がだるくなったりしますよ」
「というか君たちはなんでここに集まってるのかな?」
「涼しいからだ」

 送っていた、のだけれど。
代わりに僕の家にはその冷気をもって英気を養おうと
こうして一種の集会所というか溜まり場のようになっていた。

 まだこれも一人暮らしの大学生の家だったりすれば
いくらか青春的な感じもするのだけれど。
しかし僕は普通に社会人だ、
しかも自宅を仕事場として使ってる人間でもある。

「崩子ちゃんはまだいいにしても
 みいこさんは自宅につければいいじゃないですか……」
「そんな金は無い」
「……」

 玖渚は私室で寝ているからまだ比較的これでも静かなほう。
みいこさんも崩子ちゃんも大人しいから、
だけどこれに七々見の奴や崩子ちゃんの友達とかが
混ざってくるともう僕の手には負えなくなってくる。
家主が一番冷遇されている。
切なくなってくる。

 と、悲観的思考をしていたところに
ノックもせず、声もかけてくることなく

「ちょっと付き合えいーたん、少し位は報酬もだすしさ」

 音もたてずに唐突に突然に漫然と屹然と
まったく時間の経過を感じさせない外見で
相も変わらずのど派手な服装で、
みんな大好き僕らの哀川さんが立っていたのだった。

「ま、巻き込まれたなんて言っても
 結局的には自分の意思でついてきてるんだから世話無いよな……」
「ん? なんか言ったかいーたん」
「いや、べつに」

 テクテクと、とことこと、つかつかと、
リノリウムの床、昼休みも終わり生徒の姿も見えなくなった
廊下を歩く僕と哀川さんと他二名。
向かっているのは体育館、その裏手の奥まった場所である。
体育館裏、といえば桃色な雰囲気、乃至は険悪な雰囲気の
どちらかが感じ取れる場所であるが、
今回は、まぁ希望的観測とは裏腹に後者である。
そしてここは校舎である。
……いや、冗談だよ?

「で、えー、あんたさぁ」

 不意に、並んで歩いていた先ほどの
庶務担当の男の子が僕に話しかけてきた。
僕は頭の中の少々痛い思考を早々に放棄して
何食わぬ顔でそれに答える。

「ん、なにかな善吉君」
「あんたは、なんなんですか? あの人の助手かなんか?」
「あ~、どうだろうねその辺は、同業者で先輩で、
 でも今日のところは助手、なのかな」
「はー」
「君は?」
「はい?」
「あの――

 僕は僕と善吉君の二歩前を
哀川さんと話しながら歩いている少女、
めだかちゃんを示しながら聞く。

 ――生徒会長さんとはどうなの?
 パッと拝見したところ、結構長く深い仲っぽいけれど」
「……まぁ、幼馴染って奴ですよ」
「幼馴染ねぇ。またずいぶんと使い古されて、尚且つ絶滅寸前の要素だね」
「はい?」
「いや、こっちの話」

 僕の前を歩く髪の長い少女、黒神めだかちゃん。

「表沙汰にはなっていないが、我が校の生徒が二名
 三日前と一週間前に亡くなった。殺された訳でも自殺したわけでも
 病死でも事故死でも当然寿命なんかでもなく、ただただ死んでいた」

 生徒会室で待つこと十五分ほど、
扇子片手に入室してきた彼女は
僕達を見て第一声そう口にした。
独白のように、独言のように。
人死。なるほど、僕と哀川さんに向けられていた好奇の視線、
そういった面でも関係があるのだろうか。
人が二人死んで、大して間を空けず学校にやってくる部外者。

「そして昨日、同じく生徒が一人
 体育館裏でただ死んでいるだけの姿で発見された」

 ただ死んでいるだけ。
その言葉は、しかし”ただ”と淡白に淡々と流していいものではない。
死は、与えられるものだ。
自分、時間、他者、その他偶然の産物だろうと、与えられるものだ。
死は、発生するものじゃない。

「ここだ」

 来客用のスリッパのまま
体育館の裏手の湿っぽい土を踏みしめる。
そうして案内された場所は、
どこにでもある風景。
建物の所為で日陰となり、コケっぽい何かがあちこちに見られ
また反対側には植え込みが並ぶような
典型的体育館裏。

「秋雨中三年生が昨日ここで死んでいるのが発見された」
「はぁん、つってもそれっぽい痕跡っつーのはなんもねーのな」
「出血をしてるでもなく。殴打された痕も無く。
 その他死因と言える物はなにもないそうだ」
「死因無き死体、ですか。
 老衰でも窒息や出血多量に衰弱だったり熱や冷気や感電その他全てに該当しないと?」
「そういうことになる、年老いたから死んだ、酸素が足りなくて死んだ。
 ではなく、死んだから死んだとしか言えない死体」

 そんなこと、可能なのか?
生命活動をなんの理由も原因も発端も起因もなしに停止させることなんて
本当にそんなことが。

 人が死んだとは思えないほどなんら変わらない景色。
他二名の発見場所も、多分ここと相違ないのだろう。
言われなければ、言われても、そうとは見えない情景、
正直、僕もここで本当に人が死んだとは思えない。
実感が、無い。

「ふぅーん、へぇ~、ほぉー」

 しかし、哀川さんにとって見れば
そうではなかったようで。
しきりに一箇所を、多分死体が転がっていたであろう場所を
嫌な笑みと共に眺めながらなんとも言えない声を発していた。

「なにしてんだあの人…」
「さぁね、僕にもわからないよ」


「…なるほどな」

 哀川さんはしばらくただの地面としか見えない場所を眺めた後、
たった一言そういった。
話を聞いて現場を見て、それだけで全てがわかったという風に
推理小説の探偵が決定的な証拠を見つけた瞬間のように
皮肉気な笑みを浮かべながら両手を組み、軽く身体を伸ばす。
本当にこの人は…。
まだ序盤数ページだというのにもう事件を解いたのか、と。
思った。
哀川さんが足を運べば実際、謎なんて謎でなく
問題なんて問題なく、不明も不審も不備も不条理も何もかも
完膚なきまでに解決させ完結するものだと、思っていた。

「これはお前の領分だ、譲る」

 そう、素敵に不敵な笑顔で僕の肩を叩くまでは。

―――

 星石 青春。
三年十二組、出席番号19番。
成績は上の中、吹奏楽部所属。
優等生的な女子高校生、一週間前に屋上で発見された最初の死者。

 火役 高良。
二年四組、出席番号27番。
成績は芳しくなく、素行不良の点も見られる。
所属している部活は無し。喫煙による補導されたことが一回。
三日前に二階男子トイレにて発見された二番目の死者。

 秋雨中 梅梨。
三年二組、出席番号2番。
成績は中の上、所属している部活は無し。
一般的な男子高校生で先日体育館裏にて発見された三番目の死者。

 以上、今回の死者の簡単なパーソナル。
正直関連項目も無く、お互いに交友関係があったわけでもなく、
早々に詰んだ感じなんだけれど。
ぶっちゃけ僕としてはとっとと哀川さんの解決編を聞きたいのだが、
まぁその哀川さんが僕に丸投げしてくれたので
僕としては最低限行動をしなくてはならない。
まずはゆっくりと現状把握だ。

「そういえば、あの生徒会長の娘とどんな関係なんですか?
 約束、とか言ってましたけど。旧知なんですか?」
「んー、まぁ以前ちょろっととある依頼の過程で知り合ってな
 一回だけ無償で手助けしてやるって言ってたんだよ」
「はぁ、それはそれは」

 無償でお手伝い、か。
なんだか哀川さんらしいなあ。
……ん? 無償で?

「その場合今朝言っていた僕への報酬というのは?」
「あたしのポケットマネーだ。太っ腹だからな潤ちゃんは」
「……ですか」

 嘆息。
 その後軽く発見現場の状況を記された紙に目を通す。
どの死者が発見された時も、第一発見者は最初
それが死体だと気づかず、話しかけたりしたらしい。
そして無反応なので接近してみて、やっとそれが生きてないことに気が付いた、と。
流石にその死体の写真とかは手元に無いが、
実際問題、死因が無ければ身体は生者のそれと大した違いなどありはしないのだろう。
呼吸が無く、脈が無く、意識が無く、命が無いだけで、
傍から見ればなにも変わらない肉体。
それは、むしろ、腐乱死体よりも、見るに耐えない物なのだろうと、
ぼくは思うのだけれど。

「で、どうだ? なにかわかったかいーたん」
「……ぼくは生憎安楽椅子属性じゃありませんし、探偵でもないし刑事でもないんですよ。
 正直現場の一つと被害者、と言って良いのかわかりませんが、
 死者の人柄と現場の初期状況を知っただけじゃなにもわかりません」
「ふぅん……」
「?」

 予想外の反応。
哀川さんの事だからぼくに対して茶化すか意味深な言葉を吐くかしてくるか
どちらかをしてくると思ったんだけど。
まぁいい。ワトソン気分で付いてきたらいつの間にかホームズ役を強制的に演じさせられてる。
それはもういい、とやかく言わない。哀川さんについてきた時点であらゆることを諦めている。

 だけど、解せない。腑に落ちない。
ぼくが誰かの代わりになにかをするのは構わない、
それはぼくの仕事で今のところの生甲斐だから。
だからそれが哀川さんが相手でも、
哀川さんの代わりだとしてもそれはいい。
代替品の代用品、好きにすればいい。
でも、今回の依頼は哀川さんの私情絡みではないのか?
事件の解決が依頼の内容じゃないのか?
すでに答えがでている中、こうしてぼくが思考を巡らせるのは
非常に馬鹿らしくて阿呆らしい道化の如き行為じゃないのだろうか。

 黒神めだかちゃんは一体哀川さんになにを頼み。
哀川さんはなにをぼくに隠し、なにをぼくにやらせたいのだろうか?
……やめた。込み入った事を考えるのは後でにしよう。
最後に全てを完全に関門を簡単に陥落させ感嘆させるのは哀川さんの役目で、
そこまでぼくが持っていけば、そのまま真実も知れるだろう。
ぼくはもう一つ嘆息を吐く。
できる、かな?

「できるできないの問題じゃあない。
 やるかやらないか、だぜいーたん」

 哀川さんは、そうぼくの心を読んだような台詞を残して。
そしてこの場、生徒会室からでていってしまった、
パタンとスムーズに閉まる扉の軽い音を残して。

「そんなのは、なんでもできる人の理論ですよ哀川さん」

 ぼくは二度ほど言葉を反芻して、
視界を埋め尽くさんばかりの花に投げかけるように
そう言葉を吐き出した。

「で、どうするんスか?」

 思わぬところから返答がきた。
いや、文節は繋がってないから返答というよりは
新たに言葉をかけられたと言った方が適切か。

「どうする、ってぼくに聞かれても困るんだよね。
 依頼を受けたのは哀川さんで、依頼したのは黒神めだかちゃんで、
 丸投げされたのを勢いで受け取ったはいいけど、依頼内容もぼくはわからないんだよ?
 次の死者をださないようにすればいいのか、事件を解決すればいいのか、
 それとも居るかもしれない犯人を見つけるのか、それとも死んじゃった三人の死因を突き止めるのか。
 ぼくはなにをすればいいのかぶっちゃけわからないんだよね」

 赤裸々につらつらと八方塞りであることを語るぼくに
善吉君は少々以上に困惑した様子を見せる。
ま、そうなるよね。

「で、君はなにか知らないかな。
 黒神めだかちゃんとは長い付き合いで一番親しいんでしょ?
 話、とか聞いてない?」

 もう少しためるつもりだった本題を早々に切り出してみた。
見た感じ、そして話した感じや聞いた感じだと
やはりこの少年もめだかちゃんと行動を共にしているだけあって
普通から少しばかり離れた人間らしいけど、
しかし回転が速い、思考作業が得意というわけでもならしい、
遠回りな言い方とか回りくどい言い回しは苦手と見える。

「あ~、哀川さんって人のことは少しだけ…
 でも詳しいことはめだかちゃんも話してくれなかったッスね」
「ふぅん、哀川さんのことはなんて?」
「万能無敵の完璧超人、とだけ、
 あのめだかちゃんがそんなことを言うからどんな人かと思ったんですけど…」

 彼は先ほど哀川さんがでていった扉を少し見つめ。
そして嘆息交じりに言う。決定的な一言を。

「今回のこともあんたに全部任せちゃったみたいですし、
 なんか期待はずれというか、肩透かしというか、
 めだかちゃんがなんであそこまで持ち上げたのかわからないスよ
 完璧っつーんだったらめだかちゃんだって…」
「善吉君」
「…はい?」
「ぼくはあの人とずいぶんと長いこと一緒に居る。
 そりゃ今回みたいに適当かましたり色々と巻き込まれて死にそうになったこともあるけど、
 それなりに長い時間を哀川さんと過ごしてきた。
 その目で、その経験でものを言わせてもらうとね善吉君。

 君の幼馴染がどれだけの事をこれまでにしてきたとしても、
 絶対に哀川さんには適わない」

 これで、モチベーションもあがった。
理由も、押し付けられた以外にできた。
やる気も、理由もできたなら、あとは行動。

「あの人以上の人間なんて、存在しないとぼくは天地神明にかけて言える
 それを、証明して見せよう」
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