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 風鈴。蝉。葉鳴り。扇風機。
夏を彩る色々な音。合わさって、とてもノスタルジックな気分になる音。

「あ゛~~」
「うるさいよ姉さん」

 僕は縁側に座って足元の蟻の行列を眺めながら子供っぽい姉に言った。
夏を彩る音に、姉のぶれた音声はいらない。

「あ゛~~~?」
「うるさいって言ったんだよ姉さん。もう少し静かにしてよ」

 遠い空には白い入道雲が不戯気てるとしか思えないサイズで浮いていて、
きっとあの中にはラピュタがあるんだと、僕は今でも信じている。

「あ~……あっつい。エアコンもないなんて、本当に田舎」
「姉さんは都会っ子だからなぁ」
「同じ家で暮らしてるくせにゆうは慣れてるねぇ」
「自分の部屋のエアコンが壊れたからって僕の部屋のエアコンを
 勝手に持って行くような姉と暮らしてるからね」
「なぁんだ、私のおかげか」
「そうだねぇ」

 会話がとまると同時に、風鈴が風にのって涼やかな音を凛と奏でる。
少し離れた場所に流れる川の音も、風にのって聞こえた。

「カキ氷食べた~い」
「また? お腹を壊すよ?」
「う~ん。じゃあスイカ」
「また? お腹を下すよ?」
「じゃあ素麺」
「お昼に食べたでしょ」
「そうだったー!」

 タンクトップにハーフパンツという、
ある意味制服とも言えるルックの姉。
お腹を出して本当にだらしない。

「よし、川に行こう。浅いし綺麗だし冷たいらしいし」
「いいよ」
「あや、素直だね」
「僕も行こうかなって思ってたしね」

 水面に反射する太陽、キンと澄み通って痛いほどに冷たい水。
一年に一度しかこれない僕のお気に入りの場所でもある。

「それに、川に行けばたぶんユキとかタカとかもいるだろうし」
「……こっちの友達だっけ?」
「うん」
「社交性高くて羨ましいッスわー」
「そっかな」
「あたしは無理無理かたつむりだからね」
「姉さんの外での会話は“え?”“あ……うん”“はは……”で全て表現できるよね」
「はは……」

 サァと風が吹いて、雲が流れていく。
風鈴がチリンチリンと耳に心地よい音を流す。

「……まぁ、明日で良いか」
「え? 宿題?」
「違うよ。宿題は終わらせた。川に行ってみんなに会いに行くのを明日にしようって」
「なんで?」
「僕が友達と遊んでたら姉さん一人じゃん」
「あ……うん」
「別に急がなくても、夏は長いしね……」

 扇風機の風に流れて髪が頬をくすぐった。


――――

 あまりにも暑くてすげぇ日焼けしながら妄想した理想の夏。
俺って基本的に年下好きの妹好きなんだけど夏を妄想するとこういう姉がどこからかひょっこりでてくる
不思議だなぁ
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