バッドメリー


「私がプレゼント!」

 帰りに買ったホールケーキをぶん投げそうになった。

「……え、なに?」
「プレゼントフォーユー!」
「いや……、なんつーか……」

 全身にリボンだけを巻いてプレゼントって――。

「ベタ過ぎじゃね!?」

 あと、その横にでっけぇ箱とボロボロになった包装紙があるのはなに?

「箱に入った後に包装紙で包むのが不可能だという事に気が付いて
 急遽ベタエロに走っちゃいましたっ。てへっ」

 ここ、俺の部屋なんだけどさ。
どうしてくれんのその残骸。

「明日ゴミの日だよ?」
「なにを当たり前なことを聞いてるの? みたいなその顔やめろ」

 え~っと、とりあえず背広脱ぐか。
あとケーキ冷蔵庫入れるか。

「つか寒くないのかその格好」
「あなたの身体で暖めて?」

 台詞までベッタベタ……。

「ふっ」

 まったく、こいつは俺をよくわかっているぜ。

「生まれる前から好きでしたー!」
「いや~ん!」

―――

こんなことがあちこちで起きてるらしいぜ。
嘘みたいだろ?

――― 没
「シングルベール、シングルベール」

 力無い声だなと自分で思う。
もうかれこれ二時間以上たった一人でこの寒空の下じっとしているんだから。
指先だって手袋している意味が無い位冷え切って、
耳もキンと冷たい。

「はぁ……」

 吐く息はみんな白くなってどこかに流れていってしまう。
でも、どこかに辿り着く前に姿は見えなくなってしまって、
少し切なくなる。

「そろそろ、帰ろうかな」

 なんていいながら腕時計をみて時間を確認する振りをする私。
意味は、無い。誰かを待ってる振り、だから。
誰かを待ってるわけじゃ、ないから。

 ただ、家でじっとしているともっと寂しくなりそうで、
誰でもない誰かを待ってる振りを、一人続けていた。
家に帰ればもっと寂しくなる、覚醒剤のような一時凌ぎの現実逃避。


―――
書き始めたのが23:30程度だったから
さくっとかける甘い系にしたけど
本当は鬱系を書くつもりだった

―――没2


 手を握る力を少し強くしたら、
彼女が僕の方を見上げて微笑んでから
答えるようにギュッと握り返してきた。

「寒いわね」
「そうだね」

 他愛の無い会話。意味の無い台詞。
けれどそれらの積み重ねで僕達はこうしている。
それはまるで雪のよう。

 一つ一つは簡単に溶け、薄れ、消えていくけど。
でも、気づけばちゃんと溜まって形を作る。
それは人によって大きさも形も様々で、
一見小さく見えても、細かく丁寧に細工されたうさぎさんだったり。
一見大きく見えても、実は中身は空っぽのかまくらだったり。

「僕達はなんだろう」
「う~ん……」

 僕が聞くと彼女はあいてる手を顎にあてて首を傾げながら。

「まだ雪を集めてる途中、かな」と言った。
「その心は?」
「積もってきて、好きってわかって。
 こうして一緒に居られて、雪を集めて形作ろうとしてる最中」
「形ができるのはいつ頃だろう」
「それもみんなバラバラなんだと思うよ。
 ゆっくり作っていきましょう?」

 言って彼女は自分の台詞に照れたように舌を出してはにかむ。
僕は、なにも言わず彼女に口付けた。

―――

書いてから
「あ、これクリスマス関係ない」って気づいた
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No title

最初のはバカっぽくて好きだ
最後のはうわーって転げたくなる


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