そうめんの時期になってしまった 十五音目

「そ」

 私は読んでいた文庫本から目を離さず小さくクラス委員長に了承の意を伝える。

「簡潔ね、もっと言うことないのかしら?」
「最初からわかっていたしね」
「一人ぼっちも慣れているのね。素敵」
「それはどうも。用が済んだならどっか行ったらどうかな」
「えぇ、そのつもりよ。じゃあねいじめられっこさん」

 笑顔を絶やさないとお嬢様と評判の委員長はそういって
手をひらつかせながら私の元から立ち去っていく。
その後姿を横目で窺ってみれば、遠巻きに私と彼女の会話を見ていた他のクラスメートが
わっと委員長の元に近づいていき、ヒソヒソと何事かを話している。
時たま私を嘲笑の目で見るのも忘れない辺りがマメである。

「いじめられっこさん……ね」

 多分、私は世間で言うイジメという物を受けているのだろう。
それくらいの自覚は私にもある。
クラスだけではなく学年全体で人気者のウチの委員長様が直々に
“死んでいただけませんか?”をもっと直接的にした文言を机に書いたりするくらいだから、
結構なレベルで私は嫌われているのだろう。少なくとも学年全体で。

 けれど、私はそれをどうとは思わない。
家に帰れば親友兼任のメイドがいるし、一人なのは勉強が捗って良い。
自由時間も、まぁ読書の時間とイコールであると割り切ってしまっているし。
精神的な被害は特にない。

 彼女たちも、物理的な被害を出すと面倒になるのはわかっているのか
私物の破壊とか暴力とかは行わないし。実質無害だ。

「ふぁ……、眠い」

 文庫本を閉じてそれを枕代わりに机に突っ伏す。
夢うつつの中考えるのは修学旅行、一人でどこ行こうかなぁという事だけだった。
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  • このエントリーのカテゴリ : 五十音

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そ・・・・


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