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砕けろ九音目

「けっ!」

 帰宅した俺を出迎えた第一声は妹のそんな言葉以下の何かだった。
玄関入ってすぐにある階段の一段目に立ち、壁に寄りかかりながら
妹は不機嫌そうに俺にガンをつける。
生まれつきつり目な妹が本気でそんな表情を取ると後輩のそれとは
比べ物にならない迫力がある。勿論妹のそんな態度など
兄の俺からしてみたら後輩の睨み同様なんの意味もなさないが。

「昨日は彼女、今日は後輩。明日はあの幼い感じの先輩ですか?
 いいねぇ兄貴はモテ期真っ最中でさぁ」

 苛つきを隠すつもりもないらしい妹は、
まだ靴も脱いでいない俺に嫌味のようななにかをぶつけてくる。

「なんだ、またお前フラれたのか」

 俺は妹のそんな調子に思い当たる節があったので、
躊躇なくそれを口にしてみると。

「うっせぇー! 告白された事はあっても告白した事のない兄貴に
 私の気持ちがわかるかーい!」

 と図星だったのか妹は声を張り上げて怒りのボルテージを上げていく。
どうやら俺の先程の発言は攻撃と認識されたらしい、
妹の攻撃力が上がってしまった。
――なんてふざけてる場合じゃないか。

「あー、まぁ元気出せ。どうせわかってた事だろう?」
「死ね!」

 更に攻撃力があがってしまった。

「ちっくしょー。私の何が悪いってんだよー」

 そろそろ上がった攻撃力を生かしたメガトンパンチでも来るかと思いきや、
妹は急にテンションを下げて普通に凹み始めた。

「そう気を落とすなよ、そのうちお前のよさをわかってくれる奴がでるさ」
「そのうちっていつだよ……」
「それはお前次第だな」
「つーかそんな人間本当に居るのかよ……」
「少なくともお前の兄はお前の良さを知っているぞ」

 どんと自分の胸を叩いて見る。
すると妹は伏せていた目を少し上げて俺を睨んでから、
「う~」と少し唸ってから。

「兄貴のあほー! ばーかばーか!」

 と叫んで階段を駆け上ってしまった。

 
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