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続いて二音目

「いっ」

 読んでいた本から目を上げて声をした方を見れば、
縫い物をしていた筈の彼女は人差し指を咥えて涙目で俺を見ていた。
家事が得意で手先が器用、料理が上手でそつがない、
そんな彼女のパーソナルから見れば珍しい失敗だった。

「大丈夫か?」
「ん、痛い」
「そりゃそうだろ……」

 俺は本に栞を挟んで立ち上がり、
棚に常備してある救急絆を取り出し彼女に近づく。
彼女が舐めた為に大して血はでていなかったが、
それでも放って置くと人差し指の腹にぷっくりと紅い液体が膨らむ。

「珍しいな、お前が裁縫で怪我なんて」
「えへへ。君がさっき本読んでたじゃない?」
「あぁ」
「その横顔を見ながらやってたらプスッて」
「……馬鹿」

 くるりと指先を一周するように救急絆を貼って
彼女の広い額を軽く小突いて隣に座る。

「あれ?」

 本を読み始めたら中断することを基本的にしない筈の俺に
不思議そうな顔をする彼女。

「お前がまた怪我したら困るからな」

 俺がそういうと彼女は、ひどく優しい笑みを浮かべた。
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