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あーあー死にたい


01.

 阿良々木月火は、阿良々木暦にとって大事な妹であると同時に
戦場ヶ原ひたぎが性格を矯正された今現在において
多分僕の中で最も身近な恐怖の対象である。
千枚通しで風穴を開けられそうになったり、
包丁でナマス切りにされそうになったり、
五寸釘を体内に幾つも埋め込まれそうになったりと
その過去の事例を挙げるに暇が無く、切りが無く、事欠かない。
僕は日常生活を送る中でなにに気をつけると言ったら、
第一にここであると言って過言で無いほどに
阿良々木暦の下の妹、阿良々木月火は親愛の対象であると同時に恐怖の対象だった。

 ただ、勘違いはして欲しくない。
上記のような経歴を見てからではやや遅いかも知れないが、
しかし阿良々木月火が単なる暴力魔やそれに類する何かであるような
そういった誤解はして欲しくない。
僕の下の妹は、思うに不器用なのだ。
感情を表現することが。
というよりもむしろ生きることそのものに対して、不器用であると言っても良い。

 不器用。
それは器用でないという事、
細かいことが、不得手。
ただただ、真っ直ぐなのだと、そう思う。
これは兄と言う些か以上に評価が甘い、
法的にはアリバイの立証として認められない立場の人間の言葉故に
あまり信じてもらえないかも知れないが。
けど僕はそういった点を抜いても、
多分親しい他人として月火という一人物と付き合ったとしても、
同様の感情に近い感傷を抱いただろうと断言できる。

 阿良々木月火。
お前という人間は、どこまでも不器用で、
それだからこそに、どこまでも真っ直ぐなんだと。
僕は心の底から言える。

 兄の欲目、想う故の盲目。
好きに言うが良い。
どうぞ御自由にだ、妹の名誉のために汚名を受ける。
兄としてそれこそが最高の名誉じゃないか、
諸手を挙げて受け入れてやろう。

 ただその前に、一つだけ聞いて欲しい。
僕を罵る前に、一つだけ清聴して欲しい。
僕の妹のその純粋さが招いた、
一つの、物語を。


02.

 放課後の教室で可愛い女の子と二人きりという
シチュエーションは、まぁありがちではあるものの
しかし結構胸躍る状況なのだろうと僕は推察する。
それで傾いた太陽がオレンジ色に教室の中を染めた中で
校舎の外からは部活してる連中の爽やか且つ野太い声が僅かに聞こえて、
時折金属バットの甲高い音が響いたりしちゃったり――。

「阿良々木君、手が動いてない」
「……はい。すみませんばさ姉」
「謝らなくて良いから早く続き」
「わかりましたばさ姉」

 僕は羽川に穏やかな叱咤を受け
妄想と言う名の現実逃避から帰還して
目の前の大学ノートに向き直ってシャーペンで文字を連ねる。
内容は学校行事の出し物なんかではなく、
比較的僕の得意科目である数学の式。
参考書の最後についてる小テストを
羽川の監督の下で解いてる最中である。
この結果が残念になってしまうと
僕としても非常に立つ瀬がないので
意外と気楽にできない。というか普通に緊張する。
羽川さん怖い。

「ていっ」
「いたっ! えぇ、なに? なんで僕いま消しゴムぶつけられたんだ?」
「不穏な思考を感知しました」

 そんな無茶な……。
羽川さんお茶目にも程があるぞ、
もう迷走しすぎだよ。いめちぇん以降若干キャラが不安定だ、
きっちり固めていただきたい。なるべく早急に。

「はいはい、考えるのは問題の事だけにしてね阿良々木君」

 にっこりとした笑みで僕の不満を黙殺する羽川。
残念なことに僕はそれに対抗する手段など持ち合わせていず、
自分の机に黙って言われたとおりに額を撫でながら
普通に難しい小テストと睨めっこする。
といってもあと数問で終わりだし
その問題のどれもがなんてことはない設問なので
ぶっちゃけ僕としては後は惰性に似た何かだ。
きっちり集中してケアレスミスさえ起きないようにすれば、
数分で終わる。

「あぁ阿良々木君。これ、一応テストだから時間計ってるからね?
 制限時間の五十分まであと六分」
「マジで!? なんでこのタイミングで制限時間の存在を明らかにするんですか羽川さん!」
「時間掛ければ大抵の問題は解けるでしょ?」
「…………」

 あっけらかんと言ってくださる。
まぁ確かに焦りがなくなればミスも減るし点数は上がりやすいけど、
普通最初に言わないかそれ?
羽川さんキャラ固めるにしてもドS方向はやめてね。
本気で。

 なぁんて事をつらつらと思ったりしてる内に
テストは終了。ギリギリ僕は最後の問題も解き終わって
羽川教官にノートを提出することができた。
いまは羽川の採点待ちなのだが、
その羽川さんが参考書最後尾付属の答えを見ずに
丸付けしている辺りがなんとも言えない。
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  • このエントリーのカテゴリ : 雑記

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