スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

色彩のお題 その3


3.緑

3.緑

 ぽかぽかとした陽気の日だった。
君のお気に入りの丘に花が咲きみだれて、
その中で駆ける君が妖精のようにすら思えた。

 その事を君に素直に話すと
君はいつぞやのように顔を紅くしながら
必死で否定していたっけ。
その様子がおかしくて僕は君に美句麗句を重ねていた。

 君はどういう訳か極度に恥かしがり屋で、
僕が君を褒めたりするといつもそうやって否定をする。
そんなことない、恥かしいからやめて、
いつも君はそうやって照れてどこかに逃げてしまう。

 その日も、君は頭を掻きながら苦笑いをして、
しまいには茂る芝に飛び込んで顔を隠してしまった。
まだ朝露の残る時間にそんなことをしたものだから
君の服の節々に葉の緑が移ってしまい
変に泣きそうになっていたのを鮮明に覚えている。

 君がそんな事だから、
僕がポケットにしまった指輪を渡す為に
なにか雰囲気を作ろうと思っても
すぐに壊されてしまい、
結局はいつもの普通のノリの中で手渡さざるを得なくなったんだ。

 だと言うのに君と来たら、
嬉しそうに涙を零しながらも
もっと雰囲気をとか僕にしっかり文句を言ってくる。
僕は一体どうしろって言うんだろうと本当に困った物だ。

 確かあれは、緑啄木鳥が樹をつつく音の聞こえた、春の頃。


スポンサーサイト

Comment



 編集・削除ができます。
 管理者にだけ表示を許可する
 
 

カレンダー

 
06 | 2017/07 | 08
- - - - - - 1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31 - - - - -
 

アナログ時計(黒)

 
 

呟き

 

7shiicilou < > Reload

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。