スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 ぱたぱたと傘に溜まる水滴。
ビニールの無色透明な薄い膜越しに
いつもみたいにそれを見上げてみた。

 表面張力で丸くなってくっつく水玉に、
今日は違う物が少し混じっていた。

 解けかけた、雪。
消えかけた、雪。
雨よりも、格段に冷たい白い粒。


 じっとそれを見つめていた。
数秒と持たない雪の粒が傘については
先住民である雨粒に溶けていく様を、
じっと、じっと見つめていた。

 嘆息。
その光景、いたちごっこの様に降っては溶け
また隙間に降り立つ雪に、私はため息を吐く。

 雨は、好きだ。
雪も、当然好きだ。
けれどこの双方が入り混じる霙という気象状態、天候状況。
これだけは、あまり好きにはなれない。
霧に霰、曇天に晴天。どれも好きな私の、唯一苦手な状態。

 これはこれで、嫌いという訳じゃない。
風情があるし、この時期にしか見られない
むしろ積って留まらない分雪よりも珍しい霙。

 けれど、どうにも苦手なのだ。
純白の白いキャンバス、銀世界、
そう雪が積った景色は多々揶揄される。

 その最小単位たる雪の粒が、
芸術の第一歩たる一筆目が、
私の好きな雨によってただただ消え去っていく様は
なんとも形容しがたい気持ちにさせられる。

 一歩、傘越しに空を見上げながら歩いてみた。
ぺちゃ、というおよそ人の物と思えぬ足音がする。
みれば水と共に降った哀れな雪が解けて入り混じり
浅く雪が積った翌日のアスファルトのような
無様な情景を生み出していた。

 再度嘆息。
粘着質の土が雨の日にペースト状になるような、
そんなイメージが私の頭に蔓延る。

 先日あれほど美しいものを作り上げた雨が、
あれほど美しい景色を生み出す雪と合わさることで生まれる惨状。
――切ない。

 どれほど単一で美しかろうと、
混ぜればより美しくなるわけではない。
赤と、黄色と、青と、その他一色で十二分に美しい色を
無作法に次から次と混ぜてしまえば、結果できあがるのは
美しい原色の黒とは懸け離れたおぞましい黒に近いなにか。

 そんな風にあれもこれもと欲張った結果の末路。
まるで霙は、――人のようではないか。

 私は、霙が苦手なのだ。

 私は、人が苦手なのだ。

―――

 霙は得意ではありません。
 勿論それにも楽しみというのはあるのでしょうし、
 一概に、一辺倒に、苦手だなんだというのは間違ってるのかも知れませんが、
 しかしどうにも苦手なのです。

 混色というのは、切ないです。
スポンサーサイト

Comment



 編集・削除ができます。
 管理者にだけ表示を許可する
 
 

カレンダー

 
05 | 2017/06 | 07
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -
 

アナログ時計(黒)

 
 

呟き

 

7shiicilou < > Reload

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。