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病み上がり

「ごめんなさい。ごめんなさい」

 少女は笑う。
謝罪の言葉を口にしながら、
涙をその瞳に浮かべながら、
凍えるように、震えるように、
自分の身体を抱きしめて。

「ご、ごめんなさい。ごめんなさい」

 けれど少女は笑う。
その表情しか知らないと言わんばかりに、
どうしようもない程に悲痛な表情で、
居た堪れない位に沈痛な面持ちで、
背筋が凍る迄に陰痛な顔立ちで。

「構わないよ、全然構わない。気にしなくていいんだよ」

 僕は言う。
平常を装いながら、
平静を繕いながら、
平坦を養いながら。
謝罪に対する常套句とでも言うような台詞を。

「君は僕を思ってした。ならば僕はそれを無碍にはしない」

 僕は言う。
どこまでも優しい声色で、
いつまでも穏やかな声質で、
ひたすらに緩やかな声調で。
しかし表情は鉄面皮に。

「本当に?」
「本当だ」
「絶対に?」
「絶対だ」
「嘘じゃない?」
「それはどうだろう」

 意味の無い会話、
途方も無い遣り取り、
果ての無い受け答え、
当ても無いコミュニケーション。

 僕は片付けて、
少女はそれを見る。

 少女が行ってしまった事態の後始末を、
僕は淡々と冷淡に冷酷に残酷に。

「さぁ、埋めてしまおうか」

 僕は言う。
自らの物ではない、
すでに酸化して黒くなった液体で服を汚す少女に。

「うん」

 少女が笑う。
自らの行いの果てを知ってしまい、
それでも共にあると言った僕に。

 ざく、ざく、ざく。
裂く、裂く、裂く。


―――

 よくわかりません。
 なにが病んでるって自分が病んでる。
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