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シロガネ山より

 なんか前に書いた未完のテキストファイルがでてきた
 なんとなくここに晒そうと思った
 なぜかポケモンのネタ
 なにやらよくわからないけどこういうの書きたい時期があった
 なかみがソウルシルバーとかだから前と言ってもそこまで前じゃない
 なにくれとなく詳細を見てみたら十一月だった
 なんとか思い出そうとしても書いた記憶がない
 なで始める言葉が思いつかない
 なーなーなななー

 なんとびっくりリザードンの辺りが若干抜けてた
 指先が寒さで紅く色づいている。
吐く息は白く凍り宙に広がり溶け、
歯の根が噛みあわず奥歯がカチカチと小刻みに音を立てる。

 寒い。それに怖い。
歯が鳴るのは寒いからだけじゃない、
四方八方から感じる強いプレッシャー。
いままでとは比べ物にはならない野生のポケモンたちの視線。
それに私の身体は本能として恐怖を覚えている。


 深呼吸。
肺の奥まで冷え切った空気が入り込み、
ぞわっと鳥肌が粟立つ。
次いで頬をパンと二回強く叩く。
大丈夫、ここまで来たのは私の実力。
私には野生のポケモンなんかに負けない強いパートナー達が居る。

 ベルトに並ぶ六つのボールを指先で撫でて、
自分に渇を入れて一歩前に歩く。
地面にできた霜が合わせてしゃりと音を立てた。
目指すは山頂。
なにがあるかはわからないけど、
ここまで着たからには一番上まで向かいたい。

 この、シロガネ山の、一番高いところに。

 続いて二歩目を踏み出す。
左からは大きな滝が流れ落ちて周囲に細かな飛沫を巻き散らかす。
顔や手にかかる飛沫が、時間をかけずに凍り付いていく。

 一方、目の前には崖。
一箇所だけメガニウムで登れそうな場所がある。
どちらから行くべきか少し悩んで、
私はメガニウムにロッククライムをさせて崖を登ることにした。
勢いよく登るメガニウムに振り落とされないようにして
少し広い場所に出る。

「……うぅ、寒い」

 洞窟の外にでる穴。
そこからはいままでよりも強い冷気が入り込み、
白く凝った光が薄っすらと入り込んでいた。
落ち込みそうになる気分を上げるため、
ポケギアを感覚の無い震える指先で操作してラジオを流す。
途端静かな洞窟内に反響するアオイさんの楽しげな声。
合言葉を聞き逃さないように、とか場違いな事を考えて苦笑しながら、
私は手の平に息を吐いて、気休め程度に暖めてから穴をくぐる。

 一面の銀世界があった。
山の表面は雪で覆われて、歩くたびにさくさくと音がする。
空には雲がかかり、お昼だと言うのに灰色の光が辺りを暗く演出する。

「でも、木が生えてる……」

 そんな中だというのに、草は生え
木々がひっそりと雪にまみれながらも立っている。
あちこちにはポケモンの気配も感じれる。
凄い。凄い、場所だ。
身体の震えは止まらないけど、
ここにきてよかった。

 そしてわかる。
漠然とだけど、この先。
このシロガネ山の頂上で、
私を待ってる何かが居ると、知らせてる。
スズの塔、うずまき島。
ルギアとホウオウと出会う前にあの場所で感じた、
あの感覚が、私の身体とも頭とも違う、
どこにあるかもわからない心が感じていた。

「行こう……」

 私の後ろには、足跡の道ができていた。

―――

 豪雪だった。
目の前が真っ白になるくらいの強い雪が、
私を横殴りにするように吹き付けてこの細い道から叩き落そうとしてくる。
ラジオなど、とうに電波が入らない。
指先の感覚はとっくになくなり、真っ赤に染まっている。
きっと耳も鼻も、つま先も、同じような状況だろう。
靴は踏んだ雪でぐしょぐしょになっているし、
バッグも酷い有様、着てきた防寒着もその用途を足さない。

「…………」

 けれど、そんな酷い環境の中を平然と立ち。
悪戦苦闘する私を見る一人の男の人が居た。
長い期間使い込まれた事が伺える服とバッグを持ち、
彼の元に向かおうとする私をまっすぐ見据える一人のトレーナーが。

「私と、戦ってください」

 上がる息を整えることも忘れ、
彼の目の前に立つと同時に私はそう口にしていた。
早鐘のように鳴る心臓は、きっと疲労の所為じゃない。
もしそうだったら、この高揚感は一体なんだろうか。


 私は、ベルトに装着したモンスターボール
その一つを手にとり彼と対峙する。
彼は、なにも言わず、なにも語らず、
同じようにベルトから一つモンスターボールを手に取った。

「私はワカバタウン出身のコトネです」
「…………」
「あなたは?」
「勝ったら、教える」

 たった一言。
それだけしか言わずに彼はまた黙り込む。
私もそれ以上問うことはせずに、
ただボールを投げてメガニウムを呼び出す。

「メガニウム! 寒いだろうけど頑張って!」
「メガッ!」

 最初に貰った一番付き合いの長い私の相棒。
彼はメガニウムと私を目を細めるように少し見て、
そして何も言わずに手に持っていたボールを変更してから投げた。

「ピッカ!」

 でてきたのはピカチュウだった。
この場に、相応しくない事この上ない、
進化していないポケモン。
小さくて、可愛らしい、女の子に人気の、そんなポケモン。
タイプ的にもメガニウムの方が有利なのに。
なのになぜ選びなおしてまでピカチュウを?

 答えは自ずと知れた。
きっとこのピカチュウが彼の一番長いパートナーなんだろうと、
雰囲気で、察した。
彼は、私に合わせてくれたのだ。
いままで、こんな経験はなかった。

「いきます!」
「……」

 こみ上げてくるものに押されるように、
私は一つ大きな声を上げてからメガニウムにソーラービームを命令する。
最初から出し惜しみはなし。
目の前に居る彼は、間違いなくいままで戦ってきた誰よりも強い。
最強のトレーナーだろうから。

 彼の足元で優雅にこの雪嵐のなか毛づくろいをしていたピカチュウは、
途端目つきを変えて一瞬で臨戦態勢に変った。
けれど既に充填を終えたメガニウムは口から巨大なソーラービームを打ち出す。

「ヂュウ!」
「なっ!?」

 電撃一閃。
確実に当たると思ったソーラービームは、
ピカチュウの電撃で簡単に弾かれてしまった。

「ソーラービームは天候状態に左右される。
 こんな雪模様じゃ大した威力は見込めない」
「うぅ……」

 淡々とした口調で、私の失敗を指摘する彼。
そしてその間も命令をくだされた訳でもないのに、
ピカチュウはこの足場も視界も悪い雪の中を
機敏に高速移動してメガニウムを翻弄する。

「マッ、マジカルリーフ!」

 注意をトレーナーからピカチュウに戻して命令。
メガニウムの首元から僅かに光を放つ葉が多数宙に撒かれて、
そしてピカチュウの元に向かう。

「メガッ!?」
「メガニウム!」

 マジカルリーフは、確かにピカチュウに当たった。
けれどいくらかダメージを与えたところでピカチュウを止めることはできず、
電光石火で体勢を崩され、そのまま十万ボルトで止めを刺された。

「つ、強い……」

 メガニウムをボールにしまい、
ベルトに戻し、次のモンスターボールを手に取り投げる。
赤い光が白い景色の中、短く光ってキュウコンが現れる。

「キュウコンお願い!」
「コーン!」

 それに合わせて彼もピカチュウを戻して、
別のポケモンを呼び出す。
現れたポケモンはリザードンだった。
大きな尻尾の炎を揺らめかせ、
巨大な羽で雪を吹き飛ばす。
見ただけで威圧感に呑まれそうになる、リザードンだった。

「キュウコン火炎放射!」
「……」

 キュウコンが口を開き、火の連なりをリザードンに向けると、
リザードンも同じく口を開き、火炎放射を放った。
山に積もる雪を溶かして、火炎放射同士がぶつかり、
周囲に降り注ぐ雪に反射して辺りが赤く染まる。

 幾許か立たないうちに、二つの火炎放射は一方に急激に傾く。
……もちろん、私のキュウコンの元へ。
一見しただけで桁違いとわかるリザードンの火炎放射に
キュウコンは太刀打ちできずに自分の炎とリザードンの炎に包まれた。

「キュウコン!?」

 轟々と炎がうず高く燃え上がり、
対して時間を置かずに絶え間なく降る雪によって消される。
そうして残ったのは、すでに戦闘不能のキュウコンのみ。

「うそ……」

 キュウコンは、もらい火を持ってるから。
炎タイプの攻撃は効かないはずなのに……。

「強すぎるよ……」

 キュウコンをボールに戻すものの、
次のポケモンを繰り出す手が、進まない。
四天王も倒して、チャンピオンも倒して、
カントーのジムリーダー達も倒して、ここまで来たのに。
それでも、この人の足元にも及んでない。

「このっ! 行ってデンリュウ!」
「リュッ!」

 それでも、戦わなくちゃ。
私が勝ってきた人たちに、申し訳が無い。
負けてでも、全力で戦わなくちゃ、合わせる顔が無い。

「カメックス……」
「カメッ!」

 彼が入れ替えてだしたポケモンは今度はカメックス。
タイプ的には圧倒的に有利。
油断はダメだけれど、でも有利。
もう寒さなんて感じない、周囲の景色なんて見えない。
感じるのはポケモンの鼓動、見えるのは彼の姿だけ。

「デンリュウ! 十万ボルト!」
「リュッ!」

 スパークがデンリュウの身体から二三度弾けて、
そして強い光と共に十万ボルトがカメックスに向かう。
ピカチュウと違って素早くは無い、
当たれば倒せる筈。
そう思ったけれど。

「ガメー!」

 余裕を残してカメックスは私のデンリュウの十万ボルトを耐え切って。

「ふぶき」

 そして彼の一言と、カメックスの一撃で、
私のデンリュウは戦闘不能になった。

「まだまだ! 頼んだよブラッキー!」
「ブラ!」
「……」
「バナー!」


―――

 パチパチと、熱せられた水分が弾けて
焚き火の中で薪が激しく音を立てる。
その横では、先程圧倒的な強さを見せたピカチュウが、
暖かそうに丸くなって眠っている。

「あの、すみません。お世話になっちゃって……」

 バトル後、豪雪はさらに勢いを増し、
数メートル先も見えない吹雪になってしまった為。
下山ができず、私はやむなく最強のトレーナーさんが
キャンプを張っているシロガネ山内の洞窟に逃げ込んだのだ。

「回復アイテムまで、貰っちゃって……」

 下山ができなければ、ポケモンセンターにも当然行けず、
傷ついたポケモン達はそのままになってしまう。
そんな私に彼は元気の欠片とポケモンと私の分のミックスオレを分けてくれた。
まぁ、その間もほとんど一口も言葉を口にはしなかったけれど。


 焚き火を挟んで私の向かい側、
彼は帽子を目深に被って顔を隠して
銀のカップに入れたおいしいみずを暖めた物を飲んでいる。
私は、同じく暖めてもらったミックスオレをちびちびと飲んでいる。
なんか、よくわからない味。

「あなたはなんでここに住んでるんですか?」

 つい、聞いてみた。
こんな険しい、足を踏み入れるために許可が必要な場所に何故?
張ってあるテントも、地面に刺してある金属製の杭の錆び具合から
相当長い年月ここに住み続けてることがわかる。
彼は、帽子越しに私を見て、一言だけ呟く。

「……強く、なるため」
「もう、十分強いじゃないですか?」

 自惚れでは無く、事実として。
今の私は相当強い。
目の前の彼以外なら、誰にも負けないほどに。
ならば、目の前の彼は本当に誰にも負けない最強なのだろうと、思うけど。
しかしそれは踏み入ったことだったのか、
彼はなにも言わずにコップに口をつける。

 パチパチと、焚き火の音だけが静かに響く。
手持ち無沙汰に、私は少し血色の戻った指でポケギアをカチカチと
適当に操作してみるが、やはり圏外なのは相変わらずで。

「はぁ……」

 ため息は白くなって消えていく。
ここは外と、いや洞窟内で比べても暖かい方だったが、
しかしそれでも息は白く濁るし肌寒い。
なにより、雪でびしょびしょになってしまったバッグと上着、靴などを
乾かすために焚き火に当てているのが痛い。
まぁ本当は衣類全部を乾かしたいのだけど、
彼が居る手前そんなことができるわけがない。
この人がなにかするとは思えないけれど、私が恥ずかしい。

「……」

 すっと、不意に彼が立ち上がり。
テントの中に入っていく。
どうしたんだろうか?
雪が止む気配が無いから寝てしまうのかな?
とか思っていると、彼は一枚の毛布を持ってテントからでてきた。

 テントの中にあったから、当たり前だけど乾いている。
ふかふかの、暖かそうな毛布。
彼は、それを持って私に近づいてきて、
おもむろに私に肩にかけてくれた。
さらに、毛布に隠れるようになってて見えなかった毛糸のマフラーも、
同じように私に巻いてくれた。

「あ、ありがとうございます……」

 私と同じように、私よりもずっと長く。
雪降る山頂に居た彼も全身濡れているはずなのに、
多分これしかない毛布を自分じゃなくて私にかけてくれた。
嬉しくて、申し訳なくて。

「あ、あのっ!」
「?」

 先程と同じ位置に座ろうとする彼を呼び止めて、
怪訝そうな表情をする彼に向かって。

「あなたも一緒に入りませんか!?」

 こんなことを口走っていた。

―――

 疲労でも高揚でもないのに、
私の心臓はまたも早鐘の如く鳴っていた。
一枚の毛布を分け合うようにして温まっている
肩の触れ合うほど近い彼の所為で。

 いや、所為と言うと彼が悪いみたいだ。
実際には私から口にしたのだから私の所為。
伺うように見てみれば、彼も先程までのぶっきらぼうな表情とは変わって
少し困ったような、戸惑ってるような。
困惑した表情を僅かに浮かべている。

「あの、あなたの名前はなんて言うんですか?」
「……」

 沈黙が重くて、咄嗟に質問してしまう。
彼は、表情を消して私を見る。

「あっ、すみません! 負けたんですから教えてもらえるわけ……」
「レッド」

 呆れたように小さくため息をついて、
それでも彼は、そう教えてくれた。
『レッド』という名前を、私に教えてくれた。

「レ、レッドさんですね!? 私コトネって言います!
 えへへ、ありがとうございます教えてくれて!
 っと、ごめんなさいうるさかったですよね……」

 レッドさんは、至近距離で突然嬉々として大声を上げる私に
眉を顰めてまた呆れたような表情を作った。
私は彼に謝りながら、でも名前を知れたことで少しだけ距離が縮まったような気がして
小さく微笑んでいたと思う。
距離が縮まったことが、なぜ笑みに繋がるのか、
このときの私は対して考えもしなかったけれど。

「それにしても、雪止みませんねぇ」
「……たまにある五日もすれば止む」
「五日ですか!?」

 また眉を顰めるレッドさん。
肩が触れる距離で、相手の方を向きながら大声をだせば当然そうなる。

「あ、ごめんなさい……。でも、五日……」

 謝りながら、今度は私も困り顔。
五日といったら、結構長い。
その間誰とも連絡取れないでここに篭っていたら、
流石に心配もされるだろう。

「自然には勝てない。食料も十分あるから、我慢」
「あうぅ……、すみません。そんなにお世話になってしまうなんて」

 現時点でさえ非常にお世話になってるのに、
五日間もここでレッドさんと二人きりで過ごすなんて。
気にしなくていい、とレッドさんは言ってくれたけれど。
そんなこと、できるはずもなく。
ならばせめて五日間少しでもお手伝いをして
極力レッドさんの負担を減らすしかない。

「あの、それではレッドさん」
「?」
「不束者ですがよろしくお願いします」

 じゅうと、焚き火が燃え尽きる音がした。

―――

「寒い……」

 目が冷めて、第一声はもちろんそれだった。
テントの中、毛布に包まってもまだ冷えるシロガネ山洞窟、
特に外でブリザードが起きてる今は余計に冷えた空気が中に入り込むらしい。
寝起きの為に一層強く感じる寒さの中起き上がりテントの中を見渡すと、
レッドさんの姿はすでになく、空虚なスペースが人一人分狭いテント内にできていた。

「レッドさん?」

 毛布を畳んでからテントをでる。
けれどそこにもレッドさんの姿は無く、
昨日と同じ場所に同じように焚かれた火が
私の上着を温めているだけだった。

 私はすっかり乾いた上に、すでに暖かい防寒着を羽織って周囲を見渡す。
そこまで広くない洞窟内にできた空間。
レッドさんの姿を見落とす訳が無い。
ならば外にでたのだろうか? 何のために?
まさか五日と言っていた雪が一日足らずで止むはずがないだろう。

「レッ……、いやいややめとこう……」

 つい大声でレッドさんのことを呼ぼうとして、
しかしここが雪山だと言うことを想起して思い直す。
今現在も吹雪いている雪山の洞窟で大声なんか迂闊に出したら、
雪崩の一つ位起きてもおかしくない。
私はもう一度周囲を見渡してから、
モンスターボールをベルトに装着しなおして
寒気を防ぐための木の戸をどかして外に出る。
といってもまだ山の表面というわけではないけれど。

「さむ……」

 まがりなりにも一晩中焚き火をしていたテント周辺は、
寒いといってもそれでも暖かかったのだと理解する。
息は一瞬で凍りつき、歯の根が合わなくなる。
周囲には上方の穴から入り込んだのだろう雪が
ちらほらと舞っていて、視覚的にも寒さが助長される。
この中にレッドさんは居るのだろうか?
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Comment

マスター。続きを頼む

これはいい雰囲気
もっとやれ

HGSSが発売された直後にレッドのハーレムSSスレがいくつか立てられていたが……あれは良かった。

そんなわけでもっとやってください。

面白い

気が向いたら是非書いてほしい

No title

リアルタイムでスレ追ってたんだが途中で落ちて気になってたんだ
気が向いたらぜひ続きを書いてください


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