スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

「炬燵 蜜柑 婆」


 とりあえず沢山いただいたお題を消化して行こうと思います

 第一弾は順番的に『炬燵 蜜柑 婆』で三題噺

 まだここの文面書いてる時点ではまったく構想がないんで
 完全にその場の勢いで書いていきますからあしからず



 私は売れない作家をしている。
売れない売れない作家である。
そのため家はどうにも苦しく、
この間の台風の時などはびゅうびゅうと
隙間風が部屋の中を駆け回り、今にも家が崩れるのではないかと
戦々恐々させられたものだった。

「ううむ……」

 そんなものだから。
やはりこれはいかんと少しでも世の中の流行に乗った物を書いて
少しでも儲けようと算段を立ててみるのだけれど。
私には今時と言う物が合わないのかなんなのか
頭をうんうんといくら悩ませてスポンジのようにスカスカになる程絞りつくしても
世間様に出せないようなふんとにどうしようもない物しかできない。
「自分が楽しいと思う物を書けばそれでいいんですよ」
などと妻は言うが、けれど私にも意地というか廃る程度の男がある。

 ただでさえ息が白くなるこの時期に
びゅうびゅうと風が勢い良く入るこの家。
せめて暖房器具の一つ位置いてやって
いつも洗い物で冷たい水に手を浸す妻に
少しでも暖かい思いをさせたいと思うのだ。

「ううむ……」

 けれど私の頭はそんな気概など知って知らぬとばかりに
うんともすんともネタを運んでは来ぬし、
私の利き腕は一日寝ずに万年筆を持ち続けても
これまたうんともすんとも動かずに
結局ちいとも文字を書き連ねやしなかった。
「私は貧乏でも、あなたが居れば構わないのですよ」
なんて妻は言うが、けれど私にも立たせねばならぬ面目がある。

 ただでさえ金の事に家の事に私の事と
気苦労ばかりをかけている妻。
せめて暖かく柔らかな布団を買ってやって
いつも疲れているだろう妻に
少しでも安らぎを与えてやりたいのだ。

「ううむ……、ううむ……」
「あなた、ご飯ができましたよ」

 結局この日だって、
朝から晩まで悩んで悩んで、
脳味噌がぺったんこになるんじゃないかと言うぐらいに悩んで
ようやっと原稿用紙数枚分しか筆は進まなかった。
こんな事では毎日少ない金をやりくりして
こうして美味い飯を作ってくれる妻に申し訳が立たぬ。
そう思いながらインクとしわくちゃになった原稿用紙で汚れた机から離れ
妻の待つ居間に足を向ける。

「おや、これは?」

 火を使っていたからか、
書斎よりもまだいくらか暖かい気がする居間にでて卓袱台を見てみると。
普段とは少し様子が違い、なぜか卓袱台に
妻が使っている薄い布団がかけられていた。

 そしてその上に妻の作った夕餉と
蜜柑が一つ二つ、三つ四つと入った小さな籠が置かれている。

「さ、あなたも早く座ってください」

 言いながら、妻はその卓袱台にかけられた布団に
足を入れながらにこにこと笑って私を呼ぶ。
その姿を見てやっと得心がいった、
成る程、炬燵か。

 私は呼ばれるがままに妻の向かいに腰を下ろし、
足を布団の中に入れる。
当然、発熱灯のないただの卓袱台に布団をかけただけでは
中の空気は暖かくなったりする筈もないのだが。
「暖かいですねぇ」と言う妻に私はなにも返すことができず、
ただただ黙って箸を手にして夕餉に手をつけた。

「すまない」

 次に私が口を開いたのは食事を終え、
茶碗に箸を置いたと同時だった。
妻はのんびり屋で、まだのんびりと食事をしてる最中だったけれど
しかし黙ったままそれを待つほど私は悠長ではなかった。

「なにがですか?」
「私がもっと売れていればもっとよい生活ができたのに」

 妻は黙って箸を置いた。

「時期に年も明けるというのに雑煮をする餅も買えぬ、
 本物の炬燵も買えぬ、お前に着物の一つも買ってやれぬ。
 せめてお前に楽をさせたいのにそれもできず
 こうして気を使わせてしまっている私は私が情けない」
「けれどあなた、私は別に構わないのです。
 あなたが居ればそれで構わないのです、
 正月だからと雑煮をする必要もありません
 新しい着物も要りません。
 炬燵だって、こうして二人で居れば暖かいでしょう
 私はいまの生活が苦しいとは思いません」
「別に起るわけではないのだから嘘をつくな。
 貧乏は罪だ、世間はどんどん煌びやかになっているのに
 私の所為でお前までも苦労をかける。
 美しいお前ならもっと金持ちの所にも行けただろうに」
「お金は問題ではありません。
 私は私がお婆さんになるその時まであなたの側に居たいから
 あなたの妻になったのです。ですからそんな顔をしないでください
 私まで悲しくなってしまいます」

 妻はそういって、
しかし僅かに微笑んだ。
おおげさなようではあるが、しかしまるで慈愛ある聖母のように。
あるいは女神のように、私が愛した最高の笑顔を。

 うつむいた私が思うのは、
物理的なものとは違う、暖かさ。


―――

   ___
  / || ̄ ̄|| ∧_∧
  |.....||__|| (     )  どうしてこうなった・・・
  | ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/
  |    | ( ./     /



   ___
  / || ̄ ̄|| ∧_∧
  |.....||__|| ( ^ω^ )  どうしてこうなった!?
  | ̄ ̄\三⊂/ ̄ ̄ ̄/
  |    | ( ./     /

 

 
   ___ ♪ ∧__,∧.∩
  / || ̄ ̄|| r( ^ω^ )ノ  どうしてこうなった!
  |.....||__|| └‐、   レ´`ヽ   どうしてこうなった!
  | ̄ ̄\三  / ̄ ̄ ̄/ノ´` ♪
  |    | ( ./     /





   ___        ♪  ∩∧__,∧
  / || ̄ ̄||         _ ヽ( ^ω^ )7  どうしてこうなった!
  |.....||__||         /`ヽJ   ,‐┘   どうしてこうなった!
  | ̄ ̄\三  / ̄ ̄ ̄/  ´`ヽ、_  ノ
  |    | ( ./     /      `) ) ♪



スポンサーサイト

Comment

これはひどい


 編集・削除ができます。
 管理者にだけ表示を許可する
 
 

カレンダー

 
04 | 2017/05 | 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
 

アナログ時計(黒)

 
 

呟き

 

7shiicilou < > Reload

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。