目が合った。
ううん。彼、もしくは彼女が目の前のコレを突き落としたのだとしたら、
普通に考えて僕の危険が危ない。ので、そそくさとそこから離れようとした。
犯人(仮)から目を離せないまま狂い咲く紅い花から一歩二歩と後ずさって。

 そこで足が停まった。
停めざるを得なかった。
だって、まぁ、誰かが落ちてきて、上を見上げたら人がいて、
というのは突然過ぎる出来事だけど、まだありえないレベルじゃない。

 でも、その人影までが落下してくるってのは、
流石にないだろ。まるで、胴体をロープで結んで車で引っ張ったかのように。
一人目の女性とは比べ物にならない勢いで犯人(仮)が一人目の女性の遺体の上に落下した。

 いや、もうそれは落下なんてレベルじゃない。
女性が落下して、地面に叩き付けられたと言うなら。
犯人(仮)は叩きつけられて、叩き潰されたかのような、様。
その衝撃音もまた半端ではなく、それこそ使い古された表現ではあるが、
たんまりと水の入った布袋のはじける音。
二人の肉はもはやぐしゃぐちゃと原型を留めず混ざり合い、
一人目のときには食らわず、さらにそこから離れた僕にまで二回目の血飛沫は降りかかった。

 ――なんだ、これ。
というのが僕の正直な感想だった。
頭の中も心の中も、その言葉で埋め尽くされている。
一人目は、いい。人間が一人死んだという事実を除けば、いい。
現実味がある話だ。五十数キロの肉が自由落下を起こしただけ。

 しかし二人目は明らかに違う。
だんだんと加速していくのではなく、いきなりのトップスピード。
その速度も、重力に引っ張られていただけとは思えない速さ。
なにせ、最初から上を向いてその人物を見ていたのに、
唇の動きどころか顔の判別も、性別すら判断する間も無く叩きつけられていたのだ。
落下と着地が同時に起こったんじゃないかと錯覚する程に。

 そしてなによりもおかしい点がひとつ。
人間の脳は巻き戻しもスローもないし、本当に一瞬だったけれど、
それでもそこだけはわかる程に奇怪な落ち方。

 僕が引っ張られたという表現を執拗に使う訳として二人目の落下者は、
胴体を一番最初に着地させたのだ。まるでえびぞりのような体勢で。

 しつこいだろうがロープに余裕を持たせて、
双方の端に車と人間を結びつけた車を発進させたかのような感じ。
もしくはうつ伏せで水の上に浮いている人間の腹に100kg位の重りをくくりつけたら
あんな感じだろうか。

 ――なにそれ。
どちらにしても今の状況にはそぐわない。
だって重り付いてないし、ロープくくられてないし。

 って、さっきから僕ロープロープってうるさいな。
どれだけロープに拘ってるんだよ。やっぱり困惑してるのかな。
とか思いながらようやく死体と呼ぶ事すら躊躇する紅く泡立つなにかから視線を逸らし、
そして気づく。

 両手の平から伝わる感触に。
ずいぶんと太くて、表面がざらざらと毛羽立っていて、
手のひらがチクチクする感じ。そして螺旋を描いてるながくしなるなにか。

 ――え?
先ほどまでまったくなかった感触。
そしてしてなかったポーズ。
左手を脇腹辺りに、右手はその延長線。

 そう、僕の手には握られていた。
正しくロープが。しかし、目に見えないロープが。
確かに感触があって、重みも確かにあり、強く握って爪の先が白くなっている、
しかし目には見えない、透明なロープが。

―――

 ここから先で悩んでる。
ホラールートにするか
可愛い系に行くか
ギャグ物にするか
中二病っぽく行くか
それぞれ冒頭は考えてるんだけど
同時に脳内だけで進行・完結させるのは流石に無茶ずら
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