無敵ってのは不敗とは違う。
不死が不老と違うように、無敵ってのはもっと違う次元の物だろうと思う。
不敗ってのは、負けてないってこと。
優勝。大勝。圧勝。快勝。完勝。全勝。辛勝。
どんな形でも言いから勝ち続けていること。

 でも無敵って言うのは違う。
無敵って言うのは“負けてない”んじゃない“負けない”のだ。
いや、そもそも勝利とか敗北とか、
そういったステージに立っていない。
敵が居ない、敵が現れない。それは歯向かおうとするものがいないということ、
圧倒的に絶対的に根本的に抜本的な勝者、存在。
それが無敵。
全てにおいて不戦勝を続け続ける、それが無敵。
不敗神話なんて目ではない、
無敵という単語が表すのはそれほどまで筆舌に尽くしがたい。

 例えるならば、
そう、僕の目の前に立つ彼女のように……。

―――

 広原は、一瞬にして荒原と化した。
緑の露草が生い茂っていた見渡しの良い丘は、
いまは土が捲り上がり、抉れた地面に血溜りができている。
動物達があちこちに散見していた森の入り口には、
いまは無様な肉塊となった人間の山ができている。

 理解が追いつかなかった、
僕は先刻まで死に瀕していた。
だというのに僕を取り囲み、今まさに僕の首に斧を振り下ろそうとしていた
百を超える国選兵士達は皆々ただの屍となっている。
それは戦いではなかった、虐殺でもなかった、
歩くという行為に付きまとう矮小な生物を踏み潰すという行為。
そういった結果ですらない、過程ですらない、
行為として成立していない行為の中で兵士はみな息絶えた。

 僕という弱小すぎる存在と、
彼女という無敵すぎる存在だけを残して。


 手遊びでした
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